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ひろしまかがり灯の祭典

「ひろしま『かがり灯』の祭典」が開催されるに当たり、メッセージをお送りいたします。

1945年8月6日、広島は一発の原子爆弾により数多くの尊い命が奪われ、街は破壊し尽くされました。原爆の惨禍を経験した広島は、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という被爆者の切なる願いをもとに、核兵器のない世界恒久平和の実現を訴え続けています。

しかし、核兵器を巡る情勢を見ますと、いまだ1万3,000発を超える核兵器が存在し、核保有国は、NPT(核兵器不拡散条約)第6条に定められている核軍縮の誠実交渉義務を果たすどころか、核戦力の増強や近代化を進めています。

世界は今、新型コロナウイルスという新たな脅威に直面している中、「連帯」し協働することで、その脅威に対応できることを実体験しています。このことを踏まえると、人類共通の脅威である核兵器に対しても、世界中の人々が共通の理念の下で「連帯」し「継続」して立ち向かうことで、乗り越えられるのではないでしょうか。核兵器の悲惨さを自らの体験として語ることができる人々が少なくなる中、若い世代に平和を希求する心を確実に引き継ぎ、戦争や核兵器のない状態こそがあるべき姿だということを市民社会の共通の価値観とし、世界恒久平和の実現に向けて取組を進めていくことが重要となっています。

また、1970年に発効したNPTと、2021年1月に発効した核兵器禁止条約は、共に核兵器廃絶に不可欠な条約であり、次世代に確実に「継続」すべき枠組みであるにもかかわらず、それらの動向が不透明となっています。世界の為政者が、これらの枠組みを有効に機能させるための決意を固めるためにも、市民社会の平和意識を醸成することにより、平和への大きな潮流をつくり、核兵器廃絶の国際世論を形成し、各国の為政者の政策転換を促すことがますます必要になっています。そうした意味から、皆様が今年も「ひろしま『かがり灯』の祭典」を開催され、核兵器のない平和な世界の実現に向けた願いを多くの人々と共有されることは誠に意義深く、その取組に対し深甚なる敬意を表します。

本市も、世界の165か国・地域の8,000を超える都市で構成する平和首長会議の加盟都市とともに、核兵器廃絶に向けた為政者の行動を後押しする環境づくりに全力で取り組んでいく所存です。皆様には、今後とも「絶対悪」である核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に向け、共に力を尽くし行動してくださることを心から期待しています。

終わりに、「ひろしま『かがり灯』の祭典」の御成功と御参会の皆様の今後ますますの御健勝と御多幸を心よりお祈りいたします。

令和3年(2021年)8月5日
広島市長 松井 一實