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ひろしまかがり灯の祭典

《ひろしま「かがり灯」の祭典》の開催に当たり、メッセージをお送りいたします。

79年前の8月6日、人類史上初めての原子爆弾の投下により、広島の街は一瞬にして壊滅し、多くの尊い生命(いのち)が失われました。

ここ元安川においても、傷ついた人たちであふれ、目を覆わんばかりの凄惨な光景であったと聞いています。

多くの罪のない人々の命を奪い、その御遺族に深い悲しみと苦しみを与えた原爆投下を、私たちは決して繰り返してはなりません。このようなことが二度と起こることのないよう、私たちは悲惨な被爆の体験を後世に語り継ぐとともに、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続けています。

しかしながら、世界においては、ウクライナにおけるロシア、ガザ地区におけるイスラエルという、核兵器保有国が直接の当事者となる大きな戦争が今なお進行しており、そこでは、核兵器使用をほのめかす威嚇が幾度も行われ、核兵器が使用されるリスクがかつてないほどに高まっています。

このような厳しい国際情勢の中、核兵器のない平和な国際社会の実現は、私たちにとって、ますます切実な願いとなっています。

一方で、来年には被爆・終戦80年を迎え、被爆地広島への注目が一層高まるとともに、国連においては、次期開発目標の議論も本格化していくことが期待されます。

広島県においては、この機会を捉えて、世界中の政治指導者や若者に対する被爆地訪問の呼びかけや、核抑止に依存しない安全保障政策づくりを進めるとともに、核兵器の廃絶を持続可能な未来を作るための地球規模の課題と捉えて、核軍縮や気候変動、保健、人権などに取り組む団体等とも連携しながら、一日も早い核兵器廃絶を目指し、平和に向けた様々な取組を実施してまいります。

皆様には、引き続き、本県の取組への御理解と御協力をいただきますよう、お願い申し上げます。

終わりに、《ひろしま「かがり灯」の祭典》の御成功と皆様の今後ますますの御健勝、御多幸をお祈りいたします。

広島県知事 湯 﨑 英 彦